座談会御書講義

座談会御書「四条金吾殿御返事」講義(2022年6月度)

なにの兵法よりも法華経の兵法をもちい給うべし。「諸余の怨敵は、みな摧滅す」の金言むなしかるべからず。兵法・剣形の大事もこの妙法より出てたり。ふかく信心をとり給え。あえて臆病にては叶うべからず候。 

どのような兵法よりも、法華経の兵法を用いなさい。「その他の敵は、皆ことごとく打ち破る」との金言は、決して空言であるはずがない。兵法や剣術の真髄も、この妙法から出たものである。深く信心を起こしなさい。臆病であっては、何事も叶わないのである。

背景と大意

今回、みなさんと学んでまいります「四条金吾殿御返事」は、日蓮大聖人が58歳の時に、鎌倉の中心的な門下であった四条金吾に宛てて、身延で著されたとされております。

その内容から別名を「法華経兵法の事」ともいいます。

大聖人が佐渡から御帰還された後、四条金吾は、決意に燃えて、主君の江間氏を折伏しました。

江間氏は、極楽寺良観の信者であったため、金吾は主君から次第にうとまれるようになり、江間家に仕える同僚からもイジメにあうなど、迫害が始まりました。

ついには主君から、江間家を去るか信仰を捨てるかを迫られます。

金吾は大聖人の御指導、激励をいただいて、強盛な信心と、主君への誠実を貫き通しました。

その結果、江間家の信頼も回復し、かつての3倍の領地を受けるまでになったといわれています。

ところが、こうした四条金吾を嫉む勢力が金吾の命を狙いました。

大聖人はかねて、このような動きを予見され、さまざまに注意を促してくださっていました。

そのおかげで金吾は敵を見事に打ち返し、危機を無事に乗り切ることができたのです。

本抄は、金吾からその報告を受けたことに対する御返事です。

本抄が著された弘安2年の10月といえば、熱原法難の渦中でもありました。

大聖人の一門全体が、障魔との戦いの最中にあったともいえます。

このような厳しい状況にあって、信心さえしていれば何とかなる、という考えは誤りです。

信心をしているからこそ、絶対に事故を起こすものか!邪悪な勢力に付け入らせてなるものか!という強い一念が大事なのです。

本抄ではそのことを戦いのための戦術である、兵法に例えて教えてくださっています。

大聖人が本抄の末尾で示された、あらゆる障魔を打ち破る闘争の要諦を一緒に学んで参りましょう。

解説

初めに、「なにの兵法よりも法華経の兵法をもちい給うべし」とあります。

もともと兵法とは、戦闘の戦術や武術のことです。

もう少し大きく捉えれば、人生全般において、よりよい結果を得ていくためのテクニックのことと言えるでしょう。

現代的に言えば、素敵なライフハックや、強力なビジネスノウハウのことかもしれません。

しかし、それらよりも法華経の兵法をもちいなさいとの仰せです。

もちろん、それらのある種のテクニックを捨てなさいという意味ではありません。

根本に強盛な信心があるかどうかということです。

大聖人は一貫して、門下に信心を根本とした三障四魔との闘争を強調されています。

つまり「法華経の兵法」とは、信心を根本にすることで、あふれてくる智慧と勇気で、現状を打破する闘争のことです。

その意味では、世間のテクニックやノウハウは、部分的な法則に過ぎないといえるでしょう。

「諸余の怨敵は、みな摧滅す」とは法華経の功徳がいかに偉大であるかを示した薬王品の一節であり、妙法を受持し、弘通する功徳によって、あらゆる魔軍を打ち破ることができるという意味です。

妙法を根本に戦うことで、一切の敵を必ず打ち破ることができる。

それが絶対無敵の信仰の力なのです。

そして「兵法・剣形の大事もこの妙法より出てたり」とある通り、どのような戦いであっても勝利するための真髄は、この信仰の力にあるとの仰せです。

例えば、健康を保ち、生きがいに満ちて、地域・社会で信頼を勝ち得ていくこと。

学業や仕事で成果を出すことも、人として信用されることも、そのあらゆる努力、工夫、挑戦の根本に「法華経の兵法」があるかないか。

「強盛なる信心」を貫くならば、全ての戦いに負けることはないのです。

大聖人はお手紙の末尾に「ふかく信心をとり給え。あえて臆病にては叶うべからず候」と仰せになっています。

闘争や試練、苦難を打ち破っていくには、勇気がなくてはなりません。

勇気とは「戦う心」です。

全ての人に、仏と同じ生命が備わっていると教え、一人の人から無限の力を引き出すのが私たちの信心です。

この教えを信じて、今いる場所で目の前の課題に挑むこと。

それが勇気です。

臆病な心を勝ち超えたとき、「法華経の兵法」の真の力が現れるのです。

池田先生はつづられています。

「仏法的にいえば、勇気とは、“自身の最も健全な素質”といえる仏性に基づく心であり、無明を打ち破って即座に法性を現していくための『戦う心』です。自身が妙法の当体であると信じて、今いる場所で、現実の課題に挑戦する。そこにこそ『勇気』があるのです。そこに『法華経の兵法』は発揮されるのです。そこに『勝利と栄光の不滅の歴史』は築かれていくのです」

まとめ

私たちの信心は、「師匠のために!」「広宣流布のために!」と一念を定めて臆病の心を退ければ、絶対勝利の力が必ず出ます。

今こそ「法華経の兵法」で戦って、あらゆる困難を打ち破る時。

この確信で、勇気を奮い起こして、今日明日も前進・勝利してまいりましょう。

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