座談会御書講義

座談会御書「種種御振舞御書」講義(2021年2月度)

仏滅後・二千二百二十余年が間・迦葉・阿難等・馬鳴・竜樹等・南岳・天台等・妙楽・伝教等だにも・いまだひろめ給わぬ法華経の肝心・諸仏の眼目たる妙法蓮華経の五字・末法の始に一閻浮提にひろまらせ給うべき瑞相に日蓮さきがけしたり、わたうども二陣三陣つづきて迦葉・阿難にも勝ぐれ天台・伝教にもこへよかし

釈尊の滅後、二千二百二十年余りの間、迦葉や阿難、馬鳴や竜樹、南岳や天台、妙楽や伝教といった人々でさえ、いまだ弘められなかった、法華経の肝心であり諸仏の眼目である妙法蓮華経の五字が、末法の始めに全世界に広まることを示す瑞相として、日蓮が先駆したのである。わが一門の者たちは、二陣、三陣と続いて、迦葉や阿難にも勝り、天台や伝教をも超えなさい。

背景と大意

今回、皆さんと学んでまいります「種種御振舞御書」は、日蓮大聖人が55歳の時に身延で認められたとされている御書です。

ここで言うところの「御振舞」とは、つまり大聖人ご自身による「末法の御本仏としての」お振る舞いのことです。

立正安国論での予言が的中してから、命に及ぶさまざまな大難にあわれて、身延に入られるまでの九年間を大聖人ご自身が振り返られて書かれたのがこの御書です。

ではその九年間になにがあったか。

まず他国から攻められるという立正安国論での予言が的中しましたが、幕府から教えを請われるどころかむしろ悪口を言われて迫害されます。

敵対する僧侶たちも権力者をたよって大聖人を攻撃します。

そして大聖人の首をはねようとする大事件がおこり、命は助かりましたが大聖人は佐渡へ流罪の身となります。

明日をも知れぬ流罪地では数百人の念仏の僧にからまれて法論となります。

大聖人はことごとく論破しますが、おかげで念仏僧に命を狙われ続ける日々。

今度は立正安国論での同士討ちの予言が的中し、大聖人は佐渡から鎌倉に移られます。

しかし、結局幕府は大聖人を信じず、大聖人は身延に入られることになります。

この九年間は言うまでもなく、大聖人のご生涯の中でもっとも重要な期間であり、この九年間のお振る舞いこそ、一切衆生を救わんとする「法華経の行者」としての大闘争と言えます。

なぜ、大聖人はこれまでの闘争を振り返るような御書をしたためられたか。

それは「法華経の行者」としての「御振舞」「ご境涯」を後世に示し残すことで、弟子に大聖人の闘争を受け継がせるための、師弟不二の道を示そうとされたのです。

なぜならば弟子が二陣三陣と大聖人の後に続かなければ、日蓮仏法の火は途絶え、広宣流布は夢のまた夢に終わってしまうからです。

今回の拝読御文はまさに、その大聖人の大闘争の後に続けとの厳命を私たち弟子に与えてくださっている箇所です。

日蓮大聖人の御生誕800年となる今月に、今回の拝読御文を学ばせていただくことの深々の意味を噛み締めながら、不惜身命の御振る舞いで全民衆を救わんとされた大聖人の大闘争を正しく受け継いでいく決意を、今一度ともどもに固めてまいりたいと思います。

解説

まず「仏滅後・二千二百二十余年が間・迦葉・阿難等・馬鳴・竜樹等・南岳・天台等・妙楽・伝教等だにも・いまだひろめ給わぬ」とあります。

迦葉・阿難とは、釈尊の弟子で、釈尊の滅後に仏法を残し伝えました。

馬鳴・竜樹とは、大乗経を伝え、南岳・天台は法華経を宣揚しました。

妙楽・伝教とは、法華経を正しく後世に伝えた大学者です。

ここに名前が上がっている人は、釈尊の時代から仏教を後世に伝えた人々であり、いわば仏教界の大恩人たちです。

その大恩人たちの名前の後に「だにも」、とあるのは、それほどの方達であっても、なし得なかったことがある、という意味であり、「いまだひろめ給わぬ」が指しているものは、後に続く南無妙法蓮華経のお題目のことです。

「法華経の肝心・諸仏の眼目たる妙法蓮華経の五字」とある通り、私たちのお題目は全ての人を成仏させることができる法華経の真髄であり、あらゆる仏を成仏させた根源です。

大聖人の九年間に渡る命懸けの大闘争は、まさに、この妙法蓮華経の五字を弘めるためでした。

「末法の始に一閻浮提にひろまらせ給うべき瑞相に日蓮さきがけしたり」とある通り、それはこれまでに誰人もなしえなかった全世界を救う闘争です。

続く御文には「わたうども二陣三陣つづきて」とあります。

この戦いの第一陣目は、もちろん大聖人ご自身の先駆の戦いです。

どんな大難にあっても身命を惜しむことなく、正法を広めていく。

この大聖人の闘争の後を受け継ぐ後継の弟子に「二陣三陣と続きなさい」と呼びかけられているのです。

大聖人の戦いの様相とは、まさに不惜身命の一言です。

不惜身命は「身命を惜しまず」と読み下します。

もちろん、不惜身命と言っても、命を粗末にするという意味ではありません。

大きな広布への使命感に立って自ら率先して戦う、誓願の信心を貫き通す姿です。

大聖人の真の弟子であるならば、「迦葉・阿難にも勝ぐれ天台・伝教にもこへよかし」、すなわち、迦葉・阿難、天台・伝教といった法華経の大恩人たちを超えていきなさいとの厳命です。

私たちは、過去の偉人たちの後ろについていくのではない、むしろ超えていく存在でなければならない。

そのような真の弟子が陸続と躍り出てこそ、広宣流布は実現できるのです。

そして、その使命を担って広宣流布を着実に進めているのが創価学会です。

創価の師弟による死身弘法の戦いによって、全世界全人類を救うことのできる南無妙法蓮華経が、今や世界192ヵ国地域にまで広がっているのです。

池田先生はつづられています。

「御本仏の大確信に連なり、壮大な一閻浮提広布の道を開いたのが、創価の師弟である。迦葉・阿難も、天台・伝教も讃えているに違いない。末法万年を思えば、これからが勝負である。従藍而青の後継を、いよいよ『二陣三陣』と呼び出していこう!時に適った地涌の菩薩の陸続たる出現は、一人一人の対話力で決まる」

まとめ

私たちは創価の師弟に連なる後継の弟子です。混迷の時代だからこそ、創価学会が担う使命はより大きくなっています。

今だからこそ、内外問わず、一人一人との対話こそが、私たちに求められている戦いであると確信します。

私自身、最大限に健康に留意しながら、真心と希望の励ましを、あの友この友に、届けてまいります。

さあ、伝統の2月です。

今こそ「二陣三陣」の戦いを起こして、お題目で智慧を湧かせながら、縦横無尽に戦いきって参ろうではありませんか。

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