座談会御書講義

座談会御書「四菩薩造立抄」講義(2022年4月度)

総じて、日蓮が弟子と云って法華経を修行せん人々は、日蓮がごとくにし候え。さだにも候わば、釈迦・多宝・十方の分身・十羅刹も御守り候べし。

総じて日蓮の弟子といって法華経を修行する人々は、日蓮のようにしなさい。そうするならば、釈迦仏、多宝仏、十方分身の諸仏、十羅刹女も必ず守護されるであろう。

背景と大意

今回、みなさんと学んでまいります「四菩薩造立抄」は、日蓮大聖人が58歳の時、身延から千葉県に住む富木常忍に与えられたお手紙です。

富木常忍は、千葉県の武士とされており、現在でいえば上級公務員というような地位にありました。

入信の時期は門下の中でも最も早く、立宗宣言から間もない頃に入信したものと考えられています。

非常に難しい漢文で書かれている御書や、「観心本尊抄」など多くの重書をいただくなど、四条金吾と並び称されるような中心的門下です。

また、大聖人の御真筆の書を現代に多数残した功績でも知られており、御書を学ぶ私たちにとっても恩の深い方であります。

さて、「四菩薩造立抄」の内容は大まかに2つに分けられます。

前半は、富木常忍が質問したことに対する返答です。

質問の内容は四菩薩の造立の時期はいつですか、というもの。

大聖人はそれに答えて、末法である今がその時であり、その役割を担っているのは日蓮大聖人であることを明かされています。

後半では、勝手な解釈で日蓮大聖人の教えに反することを唱えている一部の門下を厳しく戒められています。

その上で、大聖人の弟子であるならば、大聖人と同じように実践するべきだと教えられています。

今回の拝読御文は、後半部分の最後、師弟不二の信心のあり方をご教示されている箇所です。

師匠と心を合わせて戦う心を今一度、一緒に学んでまいりましょう。

解説

前半の一文に「総じて、日蓮が弟子と云って法華経を修行せん人々は、日蓮がごとくにし候え」とあります。

日蓮大聖人の弟子であるならば、大聖人のおっしゃる通りに修行しなければ、それは真の弟子とは言えません。

当時、大聖人の教えとは異なることを唱える門下がいて、他の門下が惑わされてしまうような事態があったと推察されます。

大聖人はそのことを察知して、門下に間違った考えが広まるのをおさめようとされました。

そこで、門下の中でも大聖人からの信頼の厚かった富木常忍に対して、間違っていることは間違っているとはっきりとお伝えになった上で、勝手なことを言っている人間はもはや弟子ではなく「天魔」である、とまでおっしゃって断罪されています。

このズレてしまった門下に対して、大聖人は「日蓮の本意をわかっていない」と喝破され、すでに富木常忍に託されている観心本尊抄を持って、学ばせなさいと仰せになっており、拝読御文では、弟子の姿勢として、「日蓮がごとくにし候え」と戒められています。

後半の一文には「さだにも候わば、釈迦・多宝・十方の分身・十羅刹も御守り候べし」とあります。

師弟不二の実践で戦い抜くなら、ありとあらゆる仏たちが、守護されるであろうとのお言葉は、逆説的に、大聖人の仰せに反するならば、諸仏の加護はないだろうと理解することができます。

大聖人のおっしゃる通りに、御書根本に戦うからこそ、周囲の一切を味方にすることができ、広宣流布が進む。

私たち創価学会は、大聖人直結、御書根本で戦ってきたからこそ、連戦連勝の歴史を作ってこられたのです。

創価三代の師弟、そして創価学会をここまで牽引してくださった諸先輩方が「日蓮がごとく」のご精神のままに信心を貫いてきたからこそ、世界192カ国・地域に大聖人の仏法が広まったことは、この御文に照らして間違いありません。

池田先生はつづっています。

「大聖人の仰せのままに、南無妙法蓮華経を広宣流布している団体は、創価学会しかない。南無妙法蓮華経と唱え、それを広宣流布していこうという心は、創価学会にしかないのだ。この大法則にのっとって進む学会が、どれほど偉大か。広宣流布しようという私たちの心が、どれほど尊いか。いわば、南無妙法蓮華経は、大宇宙を貫くリズムであり、私たちの住む太陽系も、南無妙法蓮華経の音律で大驀進しているのである」

まとめ

さあ、栄光の5・3へ。

私たちは、大宇宙を貫くお題目のリズムで全ての友を味方に変えながら、朗らかに前進しようではありませんか。

そして、大聖人直結の誇りを胸に、師弟不二の実践で、全ての戦いに大勝利してまいりましょう。

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